九・一八記念館を訪ねて~まだまだ序章~

a38fb82d3ba81e2504a6b9d74d523c34大連で会ったほとんどの中国人、いや、すべてと言ってもいいくらいだが、日本人に対していい印象を持ってくれていることがわかる。このことが意外だと思う私は、日本のある種“偏見”に惑わされていたのかもしれない。実際、日本で生活して日本のマスメディの影響下にあれば、中国に対して偏見を持たない方が不思議かもしれない。中国に行く前と来てからでは、中国人に対する印象がまるで違うのだ。

日本人の勤勉さ、親切なこと、真面目なこと、日本製品に対する信頼、日本という国の素晴らしさ、多くの中国人が日本人に対していい印象を抱いていることはあらゆる場面で痛感して来た。

そして、そこから来るのかもしれないが、歴史の話を日本人である私とすることを好まない。少し水を向けると、「歴史は歴史」ー歴史は歴史であって、今が大事という対応をされるのが常である。

日本語を学ぶ学生たちも色々いるが、総じてそういう傾向が強いように思う。

さて、瀋陽故宮博物館で、LBは、九・一八記念館に早く行こうとする私を何度も制した。ひょっとすると、行かせたくない?両親からそう言われた?連れて行かない方がいいと。だんだん、そんなふうに思えて来た。

皇帝、ヌルハチだったか、もうその時に私にはどっちでよく忘れてしまったが、皇帝の正室の建物を混雑する人の後に続きながら彼の案内に従って入ったが、もう限界であった、私は皇帝の権力をほしいままにした豪勢な暮らしぶりを見るために瀋陽に来たのではない!さすがにそのままには口に出さず、「もう時間がありません。私は九・一八記念館に行きます」と引き戻った。

LBたちも後へ続き、九・一八行きのバスを探すという。えっ~、今からバス停や順路を探していったい何時に着くというのか?私は「タクシーで行きます」と宣言した。「先生、高いです」私、「かまいません。時間がありません」

タクシーでも、結構距離はあり、着いたのは4時だ。喉がからからだ、2人の学生にはコンビニで飲み物を買った方がよいと勧め、私ははやる気持ちで向こう側の大きな記念碑を眺める。ここで関東軍は戦争をしかけるために爆破事件を起こしそれを中国人の仕業だと因縁をつけ、大陸侵略のあしがかりとしたのか。

LBは私にアイスキャンディーを買って来てくれた。そして、会館前の案内を見て「先生。もう終わりです」という。ガイドブックには5月1日からは夏季時間で5時閉館と書いてあったが、どういうわけか、4時半に閉館だという。私はアイスキャンディーを捨てた。「失礼になります。急ぎましょう」と言って。今考えると、せっかく買ってきてくれたアイスキャンデーを捨てることはなかったとLBに悪いことをしたと反省するが、その時の気分は、アイスキャンデーにも腹立たしかったのである。

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