シャイなQさん

1月29日(金)
この日はこの季節にめずらしくしっかりとした雨で、全体的に学習者がとても少なかった。
私がこの日に担当したのはベトナムのQさん。日本に来て、まだ半年の青年だ。研修生として来日、日本語はベトナムで3か月勉強しただけだという。班長からは「日本語での会話を望んでいる」とのことだったが、自己紹介の時点ですごく緊張しているのか、震えて言葉が出てこない状況。というわけで、Qさんの持ってきていたテキストを一緒に勉強することに。Qさんは仕事の後毎晩2時間、日本語の勉強をしているそうだ。その勉強方法は「文章を書き写す」。ノートを見せてもらうと、なかなか難しい漢字を使った文章もある。
シャイなQさんとは、会話だけで学習を進めるよりも、書くことを混ぜた方がよさそうな感じがしたので、後半は私の質問に口頭で答えてもらい、それをノートに書いてもらうスタイルにした。
「好きな食べ物はなんですか?」という質問には「わたしはさかなのてんぷらがすきです」と答えた。「魚」や「好」の漢字を一緒に書いた。Qさんが私に「天麩羅は好きですか?」と聞いたので、私は「烏賊と海老の天ぷらが好きだ」と答えた。Qさんは海老はよく食べるが、烏賊は食べたことがないという。ベトナム料理には烏賊は入らないのだろうか?
「好きな色は何色ですか?」という質問には、自分の服の色を指さして笑っていた。「グレー」だ。色は白と黒以外はわからないようだった。「グレー」は英語(からきた外来語)。しかし、今日本人で、「グレー」を日常生活で「鈍色」「灰色」とか「鼠色」という人は少ない気がする。この日、私はQさんには「グレーだね」と伝えた。それから、目に入るいろいろなものを一緒に指差して、色の名前を学習した。いつかもっと日本語の勉強がすすんだら、美しく繊細な日本の色の名称も伝えられたらなと思う。
(5班 Bさん)

This entry was posted in 学級日誌. Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA