残暑厳しい9月14日。
本日は市岡には珍しい、小学生の学習者さんを担当することに。
五年前に家族でスリランカから日本にやってきた彼は、港区の小学校に通っている。
今日は、お母さんの受講にくっついて、市岡に遊びに来たのである。
お母さんはともかく、五年も日本で生活している彼は難なく日本語を使いこなしおり(「使いこなすという」意識すらない)、時折、お母さんの通訳を行っている。
さて、そうなると「日本語を勉強する手伝いをする」という私の役割は必要なくなってくる。
いつもは前頭葉の言語野だかなんだか脳みその前の方、おでこの当たりをムズムズさせながら日本語を教えているが、男性単身者の私には小学生を楽しませる為の話題や知識がほとんど無いことに気付いた。
急ぎ、資料室に走り、寄贈本箱の中から昆虫図鑑を引っ張り出して彼のところへ戻った。
成功である。
今までは照れくさそうにモジモジしていた彼も、目を輝かせページをめくりだした。
「この蝶々は見たことがある。」「コレは何、バッタ?それともコオロギ?」「クワガタに指を挟まれて痛かった」等々、退屈させずに時間を過ごすことができた。
国籍はもちろん、世代や性別、文化が全くことなる人たちが集まる市岡、今回はその多様性の最たるものだったように思う。
おっさん(自分自身はお兄さんと思いたい)と小学生が楽しく1時間半の間話をする。
その為に今回は昆虫図鑑が役に立った訳だが、普段から話題のきっかけになるようなチラシや雑誌、写真を集めておくことの大切さを痛感した。
(6班 Yさん)