市岡歴8ヶ月の私には、お顔に見覚えはあるけれどまともに言葉を交わしたことはない、という学習者さんやボランティアがまだ大勢います。
先週担当したベトナム出身のCさんも、そんな一人。新しい出会いにわくわくしながらCさんとの会話がスタートしました。
一年半前に来日したCさん、こちらの言っていることはほとんど理解しておられる様子。
学習履歴には、漢字も少し習得している旨の記述があります。
日常会話には不自由しないレベルなのかと思いきや、職場で日本人と会話する際には筆談を用いるとのこと。なぜ…?
少しシャイなCさんとまずは仲良くなり、楽しんでもらおう。
そう考えてしりとり遊びを始めると、筆談の理由がすぐに分かりました。
ベトナム語話者の日本語に馴染みのない私には、彼の発音がとても聞き取りづらいのです。
職場の方もきっとそうなのでしょう。
特に「つ」の音はベトナム人にとって大変難しい、とご本人も認識しておられました。
苦手な「つ」や「ず」を含む言葉の発音練習を促しましたが、あまり気乗りしない様子。
無理強いせず、出てきた単語の意味確認や作文ごっこを織り交ぜながらしりとり遊びを続けました。
すると、今度は私のほうに問題が。単語がすんなりとは出てこないのです。
Cさんにとって易し過ぎず、難しすぎない言葉…などと考えているとなかなか思いつかず、待ちかねた彼にヒントを出されてしまう、ということが何度かありました。
仮にも教える立場として情けない話ですが、Cさんが楽しそうに見えたので今回のところは良しとしましょう。
(うまくいかなかったことに落ち込むのではなく、次に生かせばよい。この8ヶ月で学んだことです。)
自分の中で語彙をレベル別に整理してみること、学習者が楽しめるような発音練習方法を探すこと。今回もボランティアとしての課題をもらい、収穫の多い教室となりました。
Cさんに感謝です。
(5班Aさん)