プロの日本語通訳をめざして勉強する彼女

 鬱陶しい梅雨の最中でも、パートナーのOさんは家事万端を速やかにこなして出席してくれる。
だから私も気を抜けない。
昨秋の日本語検定試験で、いきなり1級に合格した彼女は、この春から、中国人として、プロの日本語通訳をめざして勉強を始めた。
同じ班で警察関係の通訳として活躍しているスリランカのS先輩にアドバイスも受けながら、今までのパートの仕事も辞めて、家庭学習でも励んでいる様子に頭が下がる。
「翻訳」なら、辞書を引いたり、分からないことがあれば、誰かに訊いて調べる時間もあるが、「通訳」は「待ったなし」の日本語の聴解をする力、それを正しく解釈して中国語に変換し、言葉にする力が要求される。
(当然その逆の作業も)そこでOさんには、日本の新聞を読んで、日本の「世の中の事」をある程度、認識しながら普段の生活を送ってもらうことを提案。
しかも「音読」をしながら、日本語の言い回しや、イントネーションの勘どころを掴んでもらうよう話した。
それに、日本語として定着していくカタカナ英語がますます増える今日このごろ・・・・
勉強することが山ほどあるが、頑張りやさんの彼女のこと、
焦らずに「確かで美しい日本語」を修得して頂けるよう願っている。
ちょうど今、読んでいるロシア語の同時通訳者の米原万里の本を来週からテキストに使うつもりにしている。

(4班 Sさん)

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