大連海洋大学の志水博子です。

市岡日本語教室のみなさん、こんにちは。

私は、市岡日本語教室でボランティアをしていましたが、今は、中国の大連海洋大学で日本語教師をしています。まだ、3ヶ月しか経っていませんが、とても充実した、そして楽しい日々を送っています。日本にいる時はテレビや新聞を通して中国の悪い印象を与えるニュースに触れることがありましたが、実際に中国に来てみると、まるで違いました。学生や先生たちはむろんですが、大連の町の人々は日本人である私にとても親切に接してくれます。果物屋さんや雑貨屋さんともすっかり顔見知りになりました。
町を歩くと道を聞かれることがあります。「ティンブトン」(分からない)と言うと、その時初めて私が外国人であることが分かるようです。外国人だと分かると、まず「韓国人か?」と聞かれることが多いです。大連はひょっとしたら韓国人の方が日本人より多いのかもしれません。また、大連からバスで4時間行くと朝鮮民主主義人民共和国との国境の町丹東に着きます。大連は朝鮮民族も多いのかもしれません。中国は56の民族が暮らしていますが、町を歩くと、「あれ?今の人、日本のXさんにそっくり」と思うことがよくあります。中国という国家、朝鮮半島の2つの国家、そして日本、私たちは国家で隔てられているけれど、ルーツをたどって行けば、同じ東アジア人ではないかとさえ思えて来ます。
しかし、その半面、大連では日頃あまり考えることのない近代の歴史を思い出すことも多いです。たとえば、同じ大学の中国人の先生のふるさとは、日清戦争の折に日本が初めて上陸した町だそうです。本屋に行けば、そこのご主人の話によると、自分の親戚は、日本が旧満州国で敗戦を迎えた後、残留孤児として育てち、今は日本に帰国したとのことです。若い学生たちは、そんな歴史にはあまりこだわっていないようですが、改めて日本人として忘れるわけにはいかないと感じています。
歴史を振り返り、そして若い学生たちと過ごすことによって未来を考えることができる、中国に来て本当に良かったです。中国のいい所や悪い所、日本のいい所や悪い所を学生たちと本音で語り合う関係を作って行きたいと思っています。そして、みなさんにも、中国で日本語を学ぶ学生たちの等身大の素敵な姿をお伝えできればと思います。

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